うちあけばなしとこたえあわせ

いわゆるタワマン文学って奴が好きで。

最近また会うようになった大学時代の仲間と飲んだ後にはついその手の物語が読みたくなる。自分を人と比べては、くだらない優越感だの詮ない劣等感だのを抱く己のフラフラな自意識を相対化したいのかもしれない。評価項目をいくつか捨ててる分まだ楽なんだと自分に言い聞かせるため。

この年で独身(未婚)やってると特別枠に入れるんだよ。グロスの稼ぎじゃ負けるが、利益率じゃたぶん優勝。何せ食わせるのは俺一人なもんでな。「人生を何で測る?掴んだ真実の数で?流した涙の数で?犯した間違いの数で?あるいは、死に方で?」(Seasons of Love)俺が勝てる数はさしづめ雑なセックスの相手。愛した数ですらねえ。

勝ち負けじゃないって、本当は判ってるさ。

髪の量に腹の形、多少のデコボコはあれどシャッターを押してくれた店員の彼女から見りゃ全員がどうしようもなく中年な写真を、酔いの覚めた薄目で眺める。47歳ゲイ。ここに恋の相手がいなくてよかったと心の底から思う。相手が中年になったからじゃない。この年まで幼い恋を手放せないなら自分が途方もなく辛いからだ。

いつか、いつかな。一言で終わる俺の打ち明け話を聞いてくれよ。そして長い長い答え合わせに笑ってくれればいい。