井伏鱒二展に行ってきた。
漢詩の超訳で知られる「厄除け詩集」は今でも枕元にある。本当に厄除けのおまじないだ。
アチラコチラデブンガクカタル、は文学仲間の中島健蔵(ケンチ)に宛てた訳詩で、夜寒の晩にあいつはどうしてるだろう、トテモオマエハネニクロウゴザロと続く。展示では当の中島からの返歌みたいな原稿があって、それだけで入場料の元が取れたね。昭和の文壇ほぼBL説。
訳詩の中ではアサガヤアタリデオオザケノンダ、も好きだけど一番はやっぱり、サヨナラダケガ人生ダ、かな。そのインスピレーションになったという、林芙美子の一言もたまらなく好きだ。「ねえ井伏さん、人生はさよならだらけね」